墓じまいについて

墓石を撤去してお墓を移動させること

実家の近くの墓地などに先祖代々のお墓を置いているという家庭は多いでしょう。地方出身で都市部に住んでいる人の多くは、お盆やお彼岸などのときに実家に帰省して、お墓参りをします。普段は実家や地元に残っている兄弟がお墓の手入れをしているところもあるでしょう。

そのお墓を現在住んでいる場所の近くに移したいと考えている人も多いです。そのためには墓じまいをしなければなりません。墓じまいというのは、現在墓石を置いているところから、お墓を撤去して移動することを指します。お墓の中には先祖代々の遺骨なども納められているため、一緒に移動させなければなりません。

そして、現在住んでいる地域にある墓地などに新たにお墓を建てることになります。ちょうどお墓そのものを引っ越しするような具合です。都市部ではお墓を建てるのが難しいため、納骨堂などを利用する人も多いです。どちらの場合も、あらかじめ場所を確保した上で行わなければなりません。

 

なぜ墓じまいをするのか

最近では以前と比べて墓じまいをする人が増えています。その背景にあるのは、ライフスタイルの変化です。以前までは、兄弟のうち全員が遠方の都市部で就職するという例は稀でした。兄弟のうち誰か1人くらいは地元で就職して生活基盤を築くのが普通だったのです。そのため、お墓の手入れも、地元に残った兄弟がやってくれました。

しかし、最近では兄弟全員が都市部に出ていってしまうことも珍しくありません。親が引き続きお墓の手入れを続けますが、高齢になってくると、それも難しくなります。お墓は手入れをしないと、周辺に雑草などが多く生えてきたり、墓石が汚れてしまうなどして荒れてしまいます。そのうち無縁墓として扱われてしまうこともあるかもしれません。

そうならないために、墓じまいをして、現在住んでいる場所の近くにお墓を引っ越すのです。そうすれば、普段から手入れをすることができます。ご先祖様も長期間放置されるよりも、近くに置いて供養してもらった方が喜ぶでしょう。